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タイトル:あるお伽噺の本当
藤 秋人
公開日:2010/09/28


――漫画、映画、小説が当たり前のように満ちあふれる現代社会。息を吸う様にそれらを消費している私達には信じられないかもしれない。今や本棚の片隅に追いやられたお伽噺が、ほんの少し前まで人々が唯一触れられる幻想であったこと。その時代、上下貴賤無くそういうモノに憧れ、志を持って旅立つ人がいたこと。全く信じられない事に、彼らの八割がお伽噺の通り、蛮勇の結果悉く無駄死にしていった事実がある。しかし、誰も今に伝えてはいない。幻想は、埃を被ったまま歴史に埋もれる運命なのだろうか?

「ふぅん、まあそういうモンか。確かにこんな世の中じゃあね」

 呟く。確かに、伝説は遠い昔の出来事。今は生臭い現実だけがある。さしあたっては、今日積み立て預金を解約して大きな買い物をしなければならない。それを買うに当たってまた手続きがややこしい。全く、ままならないものだ。ため息を一つ。

 チャイムの音と同時に、整理番号が読み上げられる。私は雑誌をマガジンラックに戻すと、窓口へ向かう。ちょうどその時である、黒いローブの男が杖を持って銀行内に飛び込んできたのは。

「全員そのまま動くな! ここで自爆されたくなかったら金を出せってんだよ!」

 紛う事なき、銀行強盗であった。行内にいる全ての人に見せつける様に、掲げた杖 (海外でよく見る連邦製の大型軍杖) の先端には青白い魔力がほとばしり余剰魔力が男の体に流れているのが分かる。それを見た僧服に身を包んだ老人が喘ぐように叫んだ。
「ありゃスウサイド! 皆様方、この男確かに自爆するつもりですぞ」
 叫んだ彼は言い切ると、ショックのあまり泡を噴いて倒れてしまった。無理も無い、軍事に明るい人間なら誰もが知っている極悪魔法。かつて大帝国が世界中に喧嘩を売り、哀れにも敗北しようとした時に 『未熟な戦闘魔術師を最大限有効活用』 しようと考えついた自爆魔法。その威力はすばらしく、術者を中心に半径二キロが灰になる物騒な術式。
 もう、誰も動かなかった。ほんの気まぐれから彼が呪文を唱えるだけで、誰一人助からない。

「よぉよぉ、皆頭が良くて助かっちまったね? 俺が本気だって気づいてくれる程度の頭はあるみたいじゃないか。なぁ?」

 今や不気味な光を放つ杖を見せつける様にゆらゆら揺らし、この銀行強盗氏は相談窓口にどっかりと腰を下ろした。怯える行員にバッグを突きつけて、この袋に満タンだ! などと気勢を上げる。受付の行員嬢はどうすれば良いか分からずおろおろするばかり。犯人以外、誰一人声一つあげようとしない。
「おい嬢ちゃん、何ぼさっとしてんだ? 俺は、満タンって言ったよな?」
 苛立ちを隠さない強盗氏がそう言うや否や、杖の輝きが増す。このスウサイドと言うその名もズバリな自爆魔法、輝きが増せば増すほどその時が近づく。そのさじ加減、つまり自爆するもしないも術者のさじ加減一つ。
 それを見てしびれを切らした役席クラス…… つまり、それなりに偉い人が前に出て、金庫から次々と金貨やら紙幣やらを詰め込み出す。輝く杖はそのままに、満足そうに様子を眺め見入っている。

「なぁ若いの――」
 囁く声に私は振り向いた。


 振り向くと、タキシードにシルクハットを被ったサングラスの老人が一人。言うまでも無い、遊び人だ。法律で、職業別標準服が決まっているこの国では珍しくもない。つまり、職業別の服装を統一する事で、いつでもどこでもその職能に従って営業が出来る。そういうメリットがある一方で、デメリットもあった。例えば今みたいな状況で、剣を媒体に魔法を使う魔法剣士なんかが居たとしよう。もし居たなら、気持ちの悪い笑みを浮かべている強盗氏はもっと早く自爆していた筈で、今頃みんな仲良く灰になっていることだろう。私? 今日は休みなので平服を着ている。
「――貴方は?」
 私は小声で聞き返した。遊び人こと、ギャンブラーは文字通り賭博場でのディーラーや、酒場での余興を専門に扱う。この国では国立労働組合が、その日の就職先を斡旋している。数は少なく、必要な教養も他の職業と比べて多いものの、仕事内容から社会的地位は低い。だから、何となく聞き返した私の口調も、何処か莫迦にした響きがあったのかも知れない。
「そうツンケンしなくてもいいだろうに。お前さん、そんなナリだが魔法剣士だろう? さしずめ、ここに来たのは新しい魔法剣を買う為。違うかね?」
 驚いた。ほぼ正解を言い当てられて面を食らったと言うより、この遊び人の目は彼ら特有のどんな状況もまともに取りあわない麻薬に溺れた死んだ瞳では無く、理性の輝きが確かにあったからだ。

「いえ、今度魔法銃士に転属する事になりまして。剣を売って、定期を崩して最新式の突撃銃を持って入営しようと思ったら……」
「この有様か。そりゃあ災難だの? だが、これで希望が見えてきた」
「希望?」
「この稼業始めるまでは、魔法使って宮殿の中で "何でも" やらされていたのでな。嫌気が差してギャンブル稼業だが、客から巻き上げる為にも杖は必要でな。ここに、野菜スティックに偽装した軍杖が一本ある。おっと、こっちを向くなよ? あと、口の動きはほどほどにしてもらわないかんが、声は普通に出して構わんよ。遮音しておいたでな」

 これは好機だ、そう老人は言った。私は強盗氏に目を向ける。相変わらず、大型軍杖からの不気味な光の勢いは増す一方だったが、それと対象的に強盗氏の注意力はどんどん散漫になっているようだった。元々、あのスウサイドは、大変な集中力が必要で、だからこそ大帝国は遂に連合国に勝てなかった。
 カウンター越しの銀行員氏も話に加わる。
「ウチの実家は、元々僧職の家庭でして。今も普段から、怪我の治療に使えるんじゃないかと思って、ボールペン型の杖を持ってるんですよ。突入する時、幾らか力になることが出来そうです。しかし、このギャンブラー氏が宮殿賢者様だとは――」
「なぁに、今はご覧の有様よ。そもそも大賢者たらんとするならば、こんな事件起こってはおらぬよ」
 そこに、強盗氏の動きを伺いながら私達に近寄る影が一つ。
「何だか、楽しそうな話してるじゃないですか。私も混ぜてくれません?」
 トレジャーハンターの女性が、物陰を伝って合流した。昔は盗賊と言われたが、現代では遺跡の発掘に始まり災害地での救助活動までと、結論何だかよく分からない職業になっている。が、どのような業務についていても彼らが手放さないモノがある。それは――
「そこの君が、魔法剣士? ああ、銃士に。ふぅん、まぁいいか。この短剣、一応魔法は通るけど。幾らか役に立つかな?」
 私は答えた。
「もちろん。これで、反撃の糸口が掴めそうです。よもや、こんなに勇気のある人達が集まるとは正直……」
 俄に沸き立つ私達。声は遮音されているので、未だ杖から輝きを放ち、注意力がどんどん散漫になっていくばかりの強盗氏には聞こえていないが、どうやら私達は少々目立ってしまっていたらしい。

「あぁん? おいそこのお前等、あにじゃれあってるんだ! 静かにしてねぇと、本当に自爆しちまうぞ! 命はだいじにしろよ!」

 と、術式を維持するのに忙しいのか最後の方は、いよいよ意味不明な怒鳴り声になっていた。これはマズイ。術式の制御を手放せば、魔法は消失するが、それでも魔力波による被害は避けようも無い。それどころか、スウサイドが発動直前に至っていたなら、後は意志一つでここにいる全員が灰になってしまう。
 どう反応したモノか、数瞬迷った私達の耳に低い声が入ってきた。遊び人の賢者様である。
「とりあえず、世間様一般に習えば良い。悪し様に怯えてみせるのじゃよ、うろたえるのも良いかもしれんの」
「あー、その…… すっ、すみません。静かに! 静かにしてますから!」

 カウンターから身を乗り出して、行員氏が態とらしく狼狽えて見せる。
「ふん! 貴様等のような命びいきな連中に、我が帝国が屈服したのが未だに信じられねぇな。まぁいい、不安だろうからそこで固まって震えてろっ。その位の慈悲は、強盗にもあるってんだよ」
 まるで汚いモノを見る様な目で、強盗氏は吐き捨てた。
「強盗に慈悲ね、そんなものがあるなら強盗になんて入らなきゃいいだろうに……」
 トレジャーハンター嬢が、あきれ顔で呟く。
 銀行の外は、警官やパトロールカーがひしめき、幾度と無く犯人に投降を呼びかけている。既に機転を利かせた銀行員の通報によって、犯人がスウサイドを唱えていることは知れている様で、警官に混じって攻撃魔術師や上級僧侶の姿がチラチラ見えた。

 だが、悠長に銀行を囲む彼らの活躍を期待している暇はなかった。
 強盗氏は、魔術を制御するのに苦心するようになり、輝くスウサイドの術式は臨界一歩手前になっている。彼の持ってきた大型バッグに金貨・紙幣を入れる手際はお世辞にも良いとは言えず、現に私達が合流し軍議を終わらせる時間が経過してしまっていた。

 もう、何時爆発してもおかしくはない。


「今やらなければ、もう後はないでしょう」

 私は決断した。突入は今しかない。

 爆発は、もはや避けようも無い―― これが遊び人の賢者様の見解だった。強盗氏と正反対の位置に集まった私達四人、彼我の距離は十メートルあるかないか。勝負は一瞬でカタがつくだろうと、トレジャーハンター嬢。既に僧職行員氏は、椅子の影に他のお客を集め、ボールペン型の杖で防御魔法を掛けて回っている。魔法行使が強盗氏にバレれば、そこで終わり。綱渡りなその準備を彼は完璧にやってのけた。物陰への避難箇所、その選定は他でも無いトレジャーハンター嬢。旧帝国領の魔法災害にも派遣されたレスキューなのだそうだ。今やしがないプー太郎さ、うそぶく微笑みが中々どうして魅力的だった。

 突入要員は、私と賢者様。
 私は、魔法剣士に許された魔封じの呪文を短剣に纏わせ相手の杖を砕き、賢者様は瞬時に杖からあふれ出した膨大な魔力流から私を守るために、最大限の魔力盾を展開する。弾かれた魔力流が建物を暴れ回るが、これはどうしようもなく、椅子を盾に一カ所に集まった残りの客や他の行員の安全は三割四割と言ったところ。これは 『三割生き残ればいいな』 と言う話で、それでも理想論なのだそうだ。

「古典的で申し訳ないが、いち・に・のさん。これでいこうかのぅ」
 全員がうなずき、強盗氏を遠巻きに眺めながら配置につく。行員僧侶氏は椅子の影で衝撃吸収魔法を唱え続け、トレジャーハンター嬢が、カウンター向こうの他の行員にこっそりハンドサインで指示を送った。どうやら、カウンターの向こうにかつてのお仲間がいたらしい。二人から、準備よしの合図が送られる。
 賢者様の低い声が強盗氏にも聞こえるほどの声量で響く。いーち、にぃー。
 だが、これでいいのか? 強盗を鎮圧出来たとして、全てが上手くいったとしても、この銀行にいる百人ほどの内、無事に家に帰れるのはたった三十人。それでいいのか。

 強盗が押し入ってくる前に、マガジンラックにおいた雑誌の記事。王国に伝わっていた古典娯楽であり、お伽噺であり、伝説として語り継がれる勇者が最後に行った決断が頭の中を駆け抜けた。

 ……何を、莫迦な。

「いいですかっ、貴方はカウンター側の行員を守るんだ!」
 行動開始の合図を送る為、口を開きかけた賢者様をカウンター向こうに投げ飛ばし、短剣をしっかり握って全力で飛び込んだ。遠くに、任されたと老人の声。誰かの悲鳴が上がり、驚きの表情でバッグから目を離し、こちらを見る強盗氏。
「てめぇっ――」
 振りかぶる杖に向い、短剣を振り下ろす。一瞬の抵抗感を覚えるが、やがて頑丈な軍杖が真っ二つになった。

 あふれ出す光。全てを焼き尽くすその光を網膜に焼き付けられ、次に竜巻の中心に投げ込まれたような衝撃が私を吹き飛ばしたのを知覚したのを最後に、私の意識は沈黙した。

 頭をよぎるのは、お伽噺。遠い昔の勇者のお話。

『魔王城を望む、巨大山脈。難攻不落の魔王城を前に否応なく高まる士気に、一行は身を震わせました。ですが、ただ一人、勇者は気むずかしい顔をしていたのです。地に平和を!
 翌日、テントに勇者の姿だけがありませんでした。呆然とする仲間達が山から魔王城を見下ろすと、あちこちが崩れ、煙を上げる魔王城。そこには我ら聖王国の旗がはためいていたのでした。
 いぶかしむ仲間達。そこに大賢者が遅れてやってきて、彼らに勇者の書き置きを披露したのです。
「あっちには、一人で行くことにした」
 誰も死なせたくないが、魔王は倒せねばならない。勇者は一人決断したのでした。』


「莫迦な事をしたもんだ」
「ええ、私はあの時莫迦だったんでしょうね」
 天国、そのような場所で私はお伽噺と対面していた。今じゃ誰も身につけないような魔法甲冑に身を包んだ兵士。ここは何処、私は誰? なんてありきたりな混乱に陥っていた私を宥め、名乗ったその男は、とても伝説の勇者には見えなかった。古い映画で見る場末の賞金稼ぎ、さしずめ元騎士と言った気配を放っている。けれども伝承であり、お伽噺の主人公である聖王国の勇者その人なのであった。
 今ではすっかりその姿を変えてしまった聖王城も、お伽噺の頃の姿のまま、やけに人気が少ない兵舎のバーカウンターで二人でエールをあおる。ビールはないのか? これはなんだ? そう尋ねると、逆にビールはどこの酒だ? などと聞く。
「ここは、だからどこなんですか!」
「天国みてぇな場所だってんだろうがよ!」
 こんな案配。酔っぱらい同士の会話なんて品性も何も無い。
「へー、ここがヴァルハラですかー! お伽噺に語られた勇者がいるのに、それにしては寂しい場所ですねぇ」
 嫌みたっぷりに返すと、急に勇者氏は真剣な表情を浮かべた。

「いや、そもそも俺は勇者なんかじゃない。成り行きで愚連隊引っ張らされた、ただの元兵隊だ」

 一気に酔いが醒めた私を尻目に、勇者氏の一人語りが始まった。それはおおよそこんな感じだった。  最終的に、魔王城…… 敵国の親玉が居座る城を見下ろす頃には、山師やら傭兵くずれ…… それも何の実力も無い雑兵の集まりが百も二百も集まった。それ以前に、基幹となる自分を含めた四人も大した物ではなかった。勇者とおだてられて送り出された、レイピア一つで大陸を渡ろうとする莫迦が一人。淫行がバレて教会を叩き出された僧侶に、三十年童貞を貫いて大賢者になったとぬかす魔法使い。それをお守りする役目を押しつけられたのが、この人なのだそうだ。

「いや、だって…… ほら、それでも貴方は一人で魔王城を落としたんでしょう?」
「そんな上等なもんじゃねえよ。確かに書き置きは残した、城が落ちたのも事実さ。けどな、城を落としたのは直前に合流した王国の精鋭部隊なんだが。まぁ建前上、勇者の一行が城攻めに成功したことにしなきゃいけねえ。しぶしぶ、お守り役である俺が参加してな。第一、こんな面子連れて行っても無駄死にするだけだろうが。で、帰国したら俺が勇者になってたなんて、サムイ話さ。あの連中連れて行く位なら、そりゃ一人で行くことにしても、おかしかないと思うぜ」

 聞かなきゃ良かった。私は勝手にエールをもう一杯注ぐと、吐き出しそうな激情を沈めるために一気にあおった。
「なんだい、わけーのによ。こんなオッサンに勇者だお伽噺だと随分絡むじゃねえか。何してこんな所に落っこちて来たんだ?」
 私は話した。偶々読んだ貴方の話、魔法銃士隊に転属になるも敵もいない平和な中で何をしろと言うのか。不意に訪れた非日常、決行のその時、貴方の決断を思い出して――
「一人で行くことにしたんです」
 だのに、死んでその英雄に会えたのに、何だってこんな馬鹿馬鹿しい真実を聞かなければならなかったのか、と。

「いや、お前こそ。俺には勇者様に見えるぜ? 俺もアンタみたいな勇者の下で戦いたかったんだが。現実なんて切ねぇもんだよな。あと、誤解があってだな」

 今更誤解なんて、あるものかよ。でも、無駄死にかも知れないけどあの行動一つで、誰か一人でも無事だと良いな。そう思うんです。

「この黄泉路は、お前がいるところじゃねえんだよ。おめぇはさー、ややこしいんだよな。死んでないのに死人の振りして、勝手に鬱に浸りやがってよぉ、この小僧はさっさと帰れよ!」
 思いっきり座っている椅子を蹴っ飛ばされて、尻餅をつくかと思いきや。ぽっかりと空いた大きな黒い穴にそのまま落ちて行く。ゆっくり遠くなっていく、バーの天井、かの勇者様がこちらをのぞき込み、にっこりと笑った。

「こっちにゃな、一人で行くことにした」

 ああ、なるほどな。その屈託の無い笑顔は、紛れも無いお伽噺の優しい勇者のものだった。
 そう。アンタに憧れて、子供の頃の私は剣を振ったんだ。 ……意識が、途切れる。

 ――次に目を開くと、大きな窓から入る光が眩しい部屋だった。見慣れない真っ白な天井と清潔なベッドの上で横たわる自分に気づき、吊された点滴バッグが太陽の光で時折乱反射するその様を、暫くぼんやりと眺めていた。
 ふと、思い出したように身じろぎすると、全身あちこち痛い。思わず声を上げると、椅子が倒れる音がした。見ると、あの時のトレジャーハンター嬢が、驚きと喜びと笑顔がない交ぜになった表情を浮かべている。
「あれからどれくら――」
 最後まで言う事が出来なかった。彼女の、
「私達の勇者が目を覚ましたよ!」
 その一言に、押しかける遊び人の賢者様、ボールペンを持った行員僧侶氏が部屋に飛び込んで来たからだ。
「全く心配かけてくれたんですから」
「お前さんの判断は、果たして正解だったが一人で行くとは関心せんな。お伽噺の勇者でもあるまいに」

 傷が何処にあるかは分からないのに、それでも喜びのあまりバシンバシン布団を叩く彼らと再会を喜びながら、私はあのお伽噺の本当を思い出し、ほんの少しだけ伝説の勇者に対して優越感を抱き、誇らしげに微笑むのであった。


※9月度ツイッターでのリクエスト。薊野成美様より、頂いたお題「一人で行くことにした」より本作を執筆しました。
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